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老姉妹の終の棲家・・・ [気ままなヘルパー日誌]

昨年、8ヶ月間お仕事でお付き合いをさせていただいたおばあさん姉妹のお話。
ここのお宅ではお掃除の仕方から信頼関係の築き方まで
本当にいろんなことを教えていただき、考えさせられることも多かった。

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<10月 ×日>

目が不自由な80代のおばあさんのお宅。
10歳違いの70過ぎの妹さんとの二人暮らし。
仕事はお掃除中心の家事援助。

この利用者さん、どのくらい視力が残っているかは不明。
ほとんど見えてないようでもあり、
掃除機のコードなどはなんとかうまくまたいで通るから見えてる?(笑)
聞こうとすると「そんな悲しくなるようなこと聞かないでちょうだい!」と言われ、
未だにはっきりとしたことはわからない。

妹さんは気分の変動が激しくて神経症的。
怒りっぽくて、イライラしてること多し。

お宅は素晴らしくきれいなバリアフリーの2階建て。
掃除は隅々まで徹底的にきれいにする。
台所やお風呂の排水溝も毎回ピカピカにする。
だから大変だけど気持ちがいいほどきれい。

二人は近所でも評判の変わった姉妹。
親戚もいるらしいが絶縁状態なので身寄りはいないと言っている。

今までにもヘルパーが何人も交代した。
イジメにも近い二人の言葉の攻撃にみんな耐えられずやめてしまう。
精神的に追い詰められて、ほかの仕事もできなくなったヘルパーもいる。
介護支援事業所にしても、ヘルパーを守ることも大事なので
無理強いはできないからね。
事業所もいくつも変わったらしい。
うちの会社の担当社員も参ってしまって若手の社員と交代した。
年配のベテラン社員さんだったが真面目にまともに受け止めすぎたのだろう。
24時間、その姉妹のことが気になって頭から離れず
何も手につかなくなってしまったという。
見るからに落ち込んでて、相談するのも気の毒なほどだったので
その人の時には私もすべては言わないで(言えないで)いた。
私がだめならこの仕事は断って、区のヘルパーに任せることにするという。
ヘルパーだけでなく、ケアマネ泣かせのお宅でもあった。

最初のうちは私もなんなんだぁ~~この人たちは~~!?って
驚くやら目が点になるやらの連続だった。

「あんたの声が大きすぎて頭が痛くなる!」
普通に話したのでは聞こえないんだけどね・・・(笑)
バスマジックリンを詰め替えるのに
「ハサミをお借りできますか?」と聞くと
「イヤダと言ったらあなたどうするつもりだったの?」と意地が悪い。
掃除の仕方も細かく言われる。
「フローリングの掃除機かけや雑巾がけは目に沿って!」
「ガラスのサッシを開け閉めする時は、ガラスのところを触らないで!
 手垢がつくから!」
「雑巾は最初から数枚用意しておきなさい!」
「排水口から石鹸受けの底までちゃんと洗うように!」
言い出したらキリがないくらいの御指導を受けた。(笑)
ごもっとも・・・と思われることもたくさん教わったが
そうでない八つ当たり的な言葉もそれ以上に多かった。

2時間びっちりお掃除に専念する。
完璧にやったつもりでも次に行くとダメ出しが待っている。(笑)
「あなたお風呂の浴槽が流しきれてなくてざらついてたわよ!」
「同じこと何度も言わなきゃわからないような脳みそなら取り替えてらっしゃい!」等等・・・
8割方妹さんが言うんだけどね。(笑)

普段鍛えられてる(?)私はすぐになんてことなくなり平気になった。(笑)
最初はうちの事業所で金曜にも入ってたのだが、引き受けるヘルパーがいなくなり
金曜の分は区に任せたらしい。
区の方でもいまだに金曜のヘルパーは長続きしないようでしょっちゅう替わってる。

そんな変な姉妹のところだが、長続きしてるのは私も変だから?(笑)

今日訪問すると、ちょうど姉妹ゲンカの真っ最中だった。
探し物が見つからないようだったが 
ほかのことにも波及して感情はだんだんエスカレートしていく。
いろんなことで疲れた妹さんがストレートに感情をぶつけ
お姉さんの方が謝ったり引いてみたりしている。

放っておこうかとも思ったが無視するのも変だから
「なにか探しものですか~?」と割って入った。
妹さんが私にいきさつをブワ~~ってしゃべったらちょっと落ち着いたのか
2階の自室へ上がっていった。
それからお姉さんが控えめにブツブツと・・・(笑)
目が不自由な分、妹さんには迷惑をかけてるという負い目があるから
お姉さんの方が遠慮がちで妹さんの方が強い。

最近ではなんとなく最期の時を迎える準備をしているような気配があり
ここも考えさせられるお宅である。

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<11月 ×日>

前にも書いた、姉妹で暮らしている目の不自由なおばあさん、
今日伺ったら、突然近々引っ越すことにしたと言う。
ふたりとも老人ホームに入ることにしたというのだ。
お家を査定してもらったり、いろんな所の物を片付け始めてたり
遺言状の書き方なんていう話をしてみたり
なにやら身辺整理をしてるようで
なんとなく「ん?」って思う行動を見せていたと思ったら
やっぱりこういうことだったのね・・・

きれいでモダンなお家を売って老人ホームに入られる。
家を買った人が、入居を急いでたので
急遽ホームに入る日も早くしないといけなくなったらしい。

むずかしいお宅だったけど
いくつもの山を越えて、やっと信頼関係ができてきてたのに・・・
寂しい気持ちになった。
でも、身寄りのないおふたりにとっては一番いい選択だったのだろう。

「あなたが来てくれるとほっとする。
 ついついいろんなこと話したくなる。」
と、お姉さん。
妹さんからは「あなたは味のある人ね」と言われた。(笑)
私のこと、食べてみたのか・・・?(笑)

来週で最後のサービスとなってしまうが
「新しくこの家に入る人のために、しっかりきれいにしてちょうだい!」
と最後までダメ出しする気の妹さん。(笑)

でも、ここのお宅で教わったことはたくさんある。
来週は感謝の気持ちで精一杯やらせてもらおう。

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お姉さんがつぶやいた
「人から“大丈夫ですか?”と言われることは多いのよ。
 私が言ってもらいたいのは“大丈夫ですよ!”という言葉なのに・・・」
忘れられない言葉である。

元気で楽しく穏やかに暮らしてらっしゃることを祈りつつ。。。


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